HSKの書写問題攻略法

HSK(汉语水平考试)とは中国政府認定の中国語検定であり、
中国語以外の言語を母国語とする外国人を対象に、中国語での実際のコミュニケーション能力の測定を行うことを主眼としているために国際的に実践的な中国語資格とされています。

HSKの級位は1級、2級、3級、4級、5級、6級の全6段階に分かれ、リスニング問題と読解問題があることは各級とも共通していますが、
3級からは書写問題が加わります。

これは中国語検定の作文問題と違い、日本語を中国語訳するというものではありません。
ただしリスニングや読解の問題と違い、自身で中国語を正確に記述しなければならないという点では選択式の問題とは別種の難しさがあると言えるでしょう。

HSKでは3級から級が上がるごとに書写問題の難易度も上がっていきますし、
実は一番厄介なパートだと考えている人も少なくありません。

そこで本稿では3級から6級までの実際の書写問題をご紹介し、その対策と効果的な勉強法を提案していこうと思います。

HSK3級の書写問題

第一部分 与えられた語句を並び替えて、正しい中国語文を作る

質問の中の単語を用いて、新しい文を作ってください。

これは正しい並べ替えを求める問題ですが、
まだ3級の段階ですので読解の文法の問題に毛の生えた程度です。

文法の学習を普段から行い、多くの例文に触れていれば答えられない問題ではありませんが、文字を書き間違えることはないように注意しましょう。

第二部分 文の意味を理解して、文中の空所に当てはまる漢字を書く

ピンインと質問文によって、正しい漢字を( )に書き込んでください。

これはずばり語彙力を問われる問題です。
覚えた単語を意味も発音も、ふさわしい用法も含めて正しく覚えていないと答えられません。

同時に普段から中国語をノートなどに書いて学習をしていれば問題なく解けるはずですが、それ以外に、読み方がわからない中国語のピンインを調べる癖をつけておいてください。

「意味は分かるけどピンインと声調はなんだっけな?」
という中国語の語彙があったら、放っておいてはいけません。

HSK4級の書写問題

第一部分 語句の並べ替え問題

与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作ってください。

これも3級と同じ内容であるため多くは述べませんが、当然難易度は上がります。

より長めの文章に普段の学習でふれ続ける必要があり、今後さらに上の級を目指すことも踏まえて、数百語以上の長めの文を読むことを学習に取り入れるようにしましょう。

第二部分 作文問題

写真と単語が1つずつ与えられています。その単語を使って写真の内容を文章で表現してください。

これはずばり語彙力とその用法が正しいかを問われる問題ですが、
それは知識として知っているだけではなく、与えられた単語を実際に運用可能でないといけません。

同時に文法をきちんと把握しているかも問われます。

つまり、中国語の正しい文章を自分で作る訓練が必要になってきますが
それは実際に中国語で会話することが一番です。

もう中級であるHSK4級を目指しているんですから、中国人相手に中国語だけで話したことがないなんて状態から卒業しましょう。

たとえ身近に適当な中国人の知り合いがいなくても、今はオンラインで中国人と話せる場はいくらでもあります。
どうしても適当な場が見つからなかったら、まずは当チャイブラリーにお問い合わせください。

HSK5級の書写問題

第一部分 語句の並べ替え問題

与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作ってください。

正しい並べ替えを求める問題は5級でも出てきます。
この5級に来るまでの間にみなさんはたくさんの中国語の文章に触れてきたはずですので多くは述べません。

そして、この部分は満点を目指すつもりで臨んでください。

第二部分 作文問題

与えられた単語を使って80字程度の中国語文を作ってください。

これは中国語の語彙力が問われるだけではなく、
与えられた単語を全て使って、頭の中でストーリーを組み立てる必要がありますから、単に文法や二十文字前後の文章しか読んだことがないとかなり厳しいと思います。

ストーリーを組み立てるのに必要な語彙は長文に触れ続けていれば出てきません。
長めの作文は、それと同じ文字数の文章を難なく読めない限り絶対に書けるわけがないからです。

5級を受ける前には参考書や文法書などではなく、中国人の大人が読むようなネット上などに記載された記事やコラムなど、普通の中国語の文章に普段から慣れておく必要があります。

与えられた写真に関する80字程度の中国語文を作ってください。

これも上記の問題と同じく、普段から長文に慣れておく必要があるのは言うまでもありません。

また本番において、こういった写真を見て記述することを問う問題の場合、どうしても基準の80語に満たない場合があります。

そういう時は、「从照片看来」や「我的眼里来看」など写真を見た後、私見を述べる際に使う語を先に持ってきたり、
二名以上の人物がいれば単に「他们」ではなく、「他们两个」や「他们几个」を使ったり、
何かの動作をしているのであれば「正在~当中」という語を使ってみたりして文字数を稼ぐ手もあります。

状況や動作を断定せずに「好像~似的」や「可能是~的」などのようなぼかした表現を使うのもありです。

文章の出来栄えよりも、基準の文字数に大きく足りないのは絶対にいけません。
まずはそこから始めましょう。

HSK6級の書写問題

与えられた文章を10分間黙読し、その内容を400字程度で要約してください。


この問題こそまさしく中国語の大人が読む文章に慣れていないと太刀打ちはできない問題です。
日本語と同じく、文章の多さと難しさに圧倒されたらその内容の大筋を理解するもへったくれもないのと同じだからです。

6級を受ける前に、中国語の本を一冊くらいは読破していれば問題はなく対応できるはずですが、
この段階に来たら、電車に乗っている時間に中国語の記事などを閲覧するような習慣をつけるのもベターです。

ちなみにこの試験の流れとしては、
リスニング・読解問題の問題用紙が回収された後、書写問題用紙が配られます。

書写問題用紙に書かれた文章を黙読する時間が10分間与えられるので、その時間で内容を頭に入れます。
頭の中で文章に書かれた内容をビジュアル化してイメージするとよいでしょう。

メモなどはできません。

10分後に書写問題用紙は回収され、その後35分間で先ほどの書写問題用紙の内容を400字程度で要約して解答用紙に記入します。

題名もつけなければなりません。
また、文章の内容を複述するだけで、自身の観点は入れてはいけません。

この書写問題では「文頭は2文字下げる」「タイトルは真ん中」などの中国語作文の基本は守ってください。

タイトルは文章の主題に沿った、例えばその文の教訓や結論に沿ったものなどがよいでしょう。
要約は400字以内となっていますが、あまり短すぎると印象が悪いはずですので380文字以上を心がけてください。

また、自分の使ったことのない表現や自信のない表現は敢えて使わない方が得策です。

編集後記

語学の検定試験はしょっちゅうあるわけではありません。
少なくない受験料を払って、休日の時間を割いて受験しなければなりません。
よって、「落ちたらどうしようか?」という不安も当然頭をよぎることでしょう。

しかしその不安と緊張感があってこそ、検定試験を受ける意味があるのです。

試験前のそういう心理状態は、学習において普段と違う集中力を発揮します。
そして、その試験までの学習の期間での進歩も格段に違います。

語学の向上に検定試験は必須なのです。

今回首尾よく合格してもまだ先はあります。
まだまだ上の級はあるし、語学の学習に終わりはありません。

ぜひさらに上を目指し、さらなる高みへの進歩に向けて加速しましょう。