Bilibili(ビリビリ)動画で収入を得る方法とは【中国版ニコニコ動画】
ビリビリ動画とは中国の弾幕(画面上にコメントが横切る機能)動画サイトで、中国国内では24歳以下の若年層に大いに支持されています。
2009年6月に創設された同サイトはアニメや漫画、ゲームなどの「二次元コンテンツ」を中心に配信してきましたが、
現在ではテレビ番組、ドキュメンタリー、映画以外にも音楽、お笑い、エンターテイメント、グルメなど様々なジャンルの動画ばかりではなく、一般ユーザーのアップした動画やライブ実況の配信、イーコマース事業をも行う総合的なエンターテインメント・コンテンツ企業となりました。
そして、ユーザーも膨大になったビリビリ動画に自分で作った動画やコンテンツを投稿して収入を得るユーザーも増えてきました。
その中には副収入程度の人ばかりではなく、完全に本業となるほどの収入を得ている人もいるのです。
彼らはどのようにビリビリ動画から収入を得ているのでしょうか?
本稿ではその気になる仕組みをご紹介します。
充電
ビリビリにはユーザーが高評価した動画に投げ銭を行う「充電(充电)」という機能があります。
この「充電」は1元(2021年7月現在のレートで17.02円)で10コイン購入できるB幣と呼ばれるビリビリ動画内での決済に使われる仮想通貨を使って行われますが、
手数料として30パーセントが差し引かれます。
企業タイアップ
動画の中で依頼主の企業の商品やサービスを紹介して宣伝することを条件に報酬をもらうこともあります。
これは一定数のフォロワーが必要であることが前提であることは言うまでもありません。
それはだいたいフォロワーが1万人を超えている必要があります。
また、自分の動画の下にはバナー広告を張り付けることもできますが、残念ながら今のところ(2021年7月現在)これによる収入はほとんど期待できないようです。
創作激励計画
「ビリビリ創作激励計画(bilibili 创作激励计划)」はビリビリ動画がUP主に対して収益を分配するプログラムで、
UP主に優良な作品を投稿し続けられるように彼らの金銭的な圧力を和らげる目的で行われています。
これは動画の再生数やコンテンツの質によってインセンティブを受けられるもので、
だいたい再生数1000回で3元(2021年7月現在のレートで約50円)くらいと言われています。
ただしこのプログラムには加入条件があり、フォロワー数1,000以上又は累計再生数10万回以上である必要があり、
影響力/想像力スコアが55ポイント以上、信用スコアが80ポイント以上という条件もあります(このスコアの計算方法は一般ユーザーから見てやや複雑で謎の部分が多いのですが)。
また他にも以下の条件があります。
- 完全にオリジナルの動画で、他の動画サイトからの転載ではないこと
- 映画やドラマ、ドキュメンタリーではないこと
- 企業プロモーションではないこと
- 法令が順守されていること
懸賞計画
「悬赏计划(懸賞計画)」とは、投稿した動画の下にビリビリが提携している広告主の広告や商品を表示して、PV数や商品の売上に応じて収益を得ることができるプログラムです。
ただし、この「懸賞計画」にも参加資格があり、ビリビリに選出されたある程度の支持を集めているUP主にでなければならず、手数料も50%徴収されます。
ライブ中継による収入
これは同じような仕組みのライブアプリが他にもあるのですが、
ライブを実施して視聴しているユーザーからの投げ銭や値段に応じたプレゼントをもらうシステムです。
これは懸賞計画と同じく収入の50パーセントを手数料としてビリビリ動画に支払う必要があります。
また、このライブでの収入はゲーム関連のジャンルを得意とするUP主が有利なのが現状です。
他にも最近リリースされた機能として、ビリビリのプラットフォームでオンラインの通販ショップを開設できるようになり、ユーザーが他のサイトにジャンプすることなくビリビリ動画の中でショッピングをすることができるようになりました。
これ以外にも自らのアカウントを売却することもでき、それはフォロワー数一人につき3~5元(50~70円)が相場とされています。
つまり1万にフォロワーがいれば3~5万元です。
ただし、以上の収入をビリビリ動画のUP主として得るには、現在のところ中国現地の銀行に口座を持つ必要があります。
日本にも中国系の銀行はありますが、残念ながら中国本土で口座を開設しなければなりません。
ビリビリ動画はYouTubeと比べてまだまだ収益化が難しいのが現状ですが、現在でもビリビリ動画だけで年収100万元以上稼ぐUP主もおり、今後の伸びしろは大きく、将来性に満ち溢れています。
言葉の壁はありますが、将来的には中国のユーザーを席巻するUP主が日本に出現する可能性もあります。
そして、それはあなたかもしれません。
執筆者プロフィール
中国蘇州大学卒業。日本語検定試験1級(N1)取得
これまで、官公庁をはじめ、大手企業、芸能プロダクション等の数多くの中国SNSアカウント運用を担当。 ゼロイチのSNS運用スタートから、フォロワー数30万人増加、 年間1億円を超える売り上げ達成など多くの運用成果をあげる。
運用面では、微博、微信、抖音、快手、小红书などのメジャーな中国SNSプラットフォームをはじめ、数多くの中国SNSアプリに精通している。