中国語検定試験3級の合格対策・方法

中国語検定試験とは?

中国語検定試験(中検)は、主に日本語を母語とする中国語学習者を対象とした試験です。

日本国内では英語検定試験に次いで受験者の多い語学試験であり、準4級、4級、3級、2級、準1級、1級の6段階に分かれています。

中国語の語学試験と言えばHSKが有名ですが、中国語検定は外国語学習における「読む」「聞く」「話す」「書く」能力以外の母語と外国語の関係を処理する「訳す」能力をも測ることを主眼としており
これが中国語による設問に中国語で答えることを求め、中国語の運用能力のみを問うHSKと異なる点です。

HSKは中国の大学本科への留学や中国企業で活躍を目指す方に適している一方、中国語検定は日本の企業での活躍を目指す方に適しているとも言えます。

HSKを受けたことのある方も、HSKにはない「訳す」能力をも測れる中国語検定もぜひ一度試してみることをおすすめします。

中国語以外の言語を勉強していて、中国語ものぞいてみたいという語学マニアの方もぜひどうぞ!

中国語検定3級の難易度

皆さんがこれから受験しようとする3級は初級の修了試験とも言うべき段階です。

公式的には学習時間200~300時間、つまり一般大学の第二外国語における第二年度履修程度とされています。

基本的な文章を読み、書くことができること、簡単な日常会話ができることが求められ、発音(ピンイン表記)及び単語の意味、常用語1000~2000による複文の日本語訳・中国語訳が出題されます。

全くの初心者の方であっても毎日1時間以上学習すれば1年で合格することも可能ですが、まずは準4級か4級から開始することをおすすめします。

中国語検定3級の試験スケジュール・点数配分・合格点

試験日程・会場

中国語検定は1級を除いて3月、6月、11月の第4日曜日の年三回行われ、準1級と1級には二次試験があります。

  • 3月第4日曜日:準4級~準1級
  • 6月第4日曜日:準4級~準1級
  • 11月第4日曜日:全ての級

試験会場は日本各地のみならず、中国や台湾、シンガポールなどでも開催され、申込みは郵送かインターネットで行えます。

2021年度は6月の試験が終了しましたので、残りは11月の一回のみです(2021年7月20日現在、11月試験の募集は9月15日~10月15日となります)。

ただし、中には準1級を実施しない会場や、施設利用制限等により試験の実施が中止となる会場もあります。
詳しくは2021年7月20日時点での日本中国語検定協会のホームページでご確認ください。

2021年現在はコロナ禍により試験中もマスクの常時着用が義務付けられています。
また、混雑を避けるために収容人数や入場の制限も行われていますので、試験当日はお早めに試験会場に向かってください。

試験当日スケジュール
  1. 試験開始・注意事項の説明
  2. 解答用紙の配布
  3. 必要事項の記入
  4. 問題用紙の配布
  5. リスニング試験(約30分間・選択式)
  6. 筆記試験(70分間・選択・記述式)
  7. 試験終了

集合時間からリスニング試験終了までの間、入室は禁止です。
ですから遅刻した場合、リスニング試験は受けられません(リスニング試験終了直後に筆記試験を受けることは可能)

点数配分・合格点

リスニング、筆記の配点は各100点で、合計200点です。

リスニング、筆記ともに合格基準点は65点で、どちらもこれに達していないと合格できませんので、60点が合格基準点だった4級より難易度は上がります。

ただし、合格基準点は難易度によって変更されることもあります。

中国語検定3級合格のための勉強法・試験対策ポイント

分からないピンインや声調を確認する癖をつける

皆さんが受験しようとする3級には声調やピンインを把握しているか否かを問う問題が筆記にあります。

また、今後の中国語学習のことも考えて、ピンインや声調が分からなかったり忘れてしまったりした単語は必ず調べる癖をつけるようにしましょう。

一回で覚えられるわけはありません。
忘れたらまた調べればいいのです。
「覚える→忘れる→再び出くわし覚える→また忘れる」を何回も繰り返してこそ初めて自分のものとなるのです。

文法書は音声に合わせて読み、そして書く

日本人学習者にとって中国語は漢字を使う分、学習には有利な面がありますが、文字だけで学習してもリスニング力は決してつきません。

ですから普段の学習において、
参考書の例文の意味を完全に把握してからピンインの学習と同じくその例文の音声をスピーカーが話すのと同じ発音とスピードで読むシャドウイングを行うことをおすすめします。

シャドウイングは言語を文字情報ではなく音声情報として脳内に刷り込む手法です。
この音声情報の蓄積こそがリスニング力向上には必要なのです。

音声情報は自分もスピーカーと同じスピードと発音で話せなければ脳内に残りません。

スピーカーと同じように話せるようになるまで何度もやってください。
紙に書きながらやるとより効果的で、手を動かすことはその文章をより音声情報として脳内に記憶しやすくします。

むろん、最初は舌がもつれてうまくいきません。
それは普段使わない口の筋肉を使うからそうなるのです。
筋肉は使えば鍛えられるもの、何回もこなしていけば必ずスムーズに発音できるようになります。

このシャドウイングによるリスニング学習をやり続ければ、中国語検定3級のリスニング問題に十分対応できるようになるはずですし、筆記問題に対応した能力もついてきます。

また、中国語検定のリスニング力の向上だけでなく、今後更に中国語力自体を向上させることにも大いに役立つことでしょう。

そして、なるべく多くの文章に触れるようにしてください。
語学の総合的なレベルを上げるのに最も効果的な方法は、数をこなすことだけなのです。

これら中国語学習書は精選 中国語基本文例集(白帝社)通訳メソッドを応用したシャドウイングで学ぶ中国語文法 (マルチリンガルライブラリー) などがおすすめですが、
中国語検定3級の学習に特化したCD2枚付 改訂版 合格奪取! 中国語検定3級 トレーニングブック (アスク出版)も併せると中国語検定の学習にはより効果的です。






数字・量詞・曜日は音声情報とともに把握する

数字、曜日、西暦や年月日は重要です。

これらは文字で書かれているとたいして難しそうには見えませんが、上級者であってもいざ音声で流されたら意外と「今何て?」となってしまうものなのです。

「xīng qī wǔ」と音声で流れたら、それが「星期五」で「金曜日」を指すものだと悟ることができるでしょうか?
「èr líng èr líng nián」が2020年を指していると瞬時に判断できるでしょうか?

ですから、試験本番前に数字や曜日、そして西暦くらいは即座に反応できるようにするために、
普段から曜日や、ややケタの多い数字などを中国語で読む癖をつけましょう。

中国語の文章をSNSで投稿してみる

日本語の文章を中国語に訳す作文問題ですが、3級ではより難易度が上がります。

これは中国語の文章に慣れることとは違う能力が試されるのは言うまでもありません。

参考書などで自習するのも一つの手なのですが、
フェイスブックなどで投稿をなさっている方ならば、ご自分の投稿の文章を中国語にしてみてはいかがでしょうか?

自分の中国語をひけらかすようで気が引ける?

いやいや、観光地や料理の写真を投稿するのと変わらないではないですか。

「中国語を勉強してるので中国語で書かせていただきます」とか断りを入れたりして(ちょっと言い訳がましいですが)、
この際利用させてもらいましょう!

中国語が分からない人が大半ですが、恥をかかないように正確な中国語訳を作る必要があります。

時には中国人や中国語が分かる人から間違いを指摘されて恥をかくこともあるかもしれません。

しかし正確な中国語を書こうという取り組みと、間違いに気づかされるという積み重ねこそが、中国語作文の能力、ひいては中国語力を上達させる近道の一つなのです。

そして、この人様に見せるものを書くという行為は、
自分だけで黙々学習し、作文の問題集の模範解答に近い文章を作ろうとするより、はるかに効果的な学習方法となり得ます。

過去問題でクセや傾向をつかむ

本番前に中国語の過去問題を解いて出題の形式や傾向を把握することは不可欠です。
どんな試験にも出題の傾向や形式の特徴というものがあります。
それを知らないで本番に臨むと、この設問は何を問い、どう答えればよいか考えてしまい貴重な試験時間を浪費してしまいかねません。

ですから、これから中国語検定に挑戦しようという皆さんは普段の学習に加えて本番の四週間前までには中検3級試験問題[第98・99回]解答と解説 2020年版などの過去問題に必ず挑戦してください。

前記『CD2枚付 改訂版 合格奪取! 中国語検定 3級 トレーニングブック 』(アスク出版)にも模擬問題がありますのでこちらもおすすめです。

そして、本番と同じ時間配分で解答するようにしてください。
それによって中国語検定3級の設問方法や解答の所要時間、難易度を体感し、足りないところがあれば事前に補うことも可能となるはずです。

また、問題を解いたら解きっぱなしではなく、間違えていたら何が間違っていたか確認して復習しましょう。

そうすることによって、中国語検定3級の出題の特徴や傾向もつかめます。

自分の弱点は本番前に一つでも多く克服、これが重要です。
まさに「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」です。

問題サンプル、過去問題は日本中国語検定協会の公式ホームページからもダウンロードできます。
一度チャレンジし、レベルチェックしてみましょう。

試験問題の形式

中国語検定試験の実際の問題はどんな形式なのでしょうか?また、具体的にどの程度の難易度なのでしょうか?
ここで中国語検定3級のリスニング・筆記の問題をご紹介いたします。

リスニング

リスニングは放送される短い問いに対する答えを選択する第一部分、放送される短い会話の内容に関する問いに答える第二部分、放送されるやや長い会話文や長文の内容に関する問いに答える第三部分に分かれています。
それらはすべてそれぞれ二回読まれます。

以下にその設問を具体的に解説いたします。

放送される短い問いに対する答えを選択する問題

第1 問、これから読む中国語の問いを聞いてください。次に、4 つの答えを読みますので、最も適当なものを1 つ選び、その番号を解答欄にマークしてください。問い・答えは1 題ごとに、通して2 回読みます。

上が実際の音声です。
まず中国語の問いを聞き、次に4 つの答えが読まれますので、その中から最も適当なものを 1 つ選びます。

1問目は「请问、去电影院怎么走?」と読まれました。
次にその返答として「①电影院旁边儿有一家超市」「②第二个红绿灯往右拐」「③请等一下、我马上就到了」「④一直走、左边就是幼儿园」の四つの中からふさわしいものを選ぶのです。

これは④ですね。

文字で見るとたいしたことはなさそうですが、
いざ音声で読まれると焦ってしまうかもしれません。

ご覧のとおり問題用紙にも文字の記載はありません。

日ごろからシャドウイングを行い、音声に対応できるように日ごろからシャドウイングを行って本番を迎えましょう。

放送される短い会話の内容に関する問いに答える問題

続いて、これから読むAとB二人の対話を聞いてください。次に、それに続くAの言葉として、最も適当なものを、続いて読む4 つの中から1 つ選び、その番号を解答欄にマークしてください。はじめの対話とそれに続くAの言葉は1 題ごとに、通して2 回読みます。

上が実際の音声です。
AとB二人の会話文を聞き、次にそれに続くAの言葉として読まれる4 つの中から最もふさわしい答えを1 つ選びます。

第一部分と同じく問題用紙には文字の印刷はありません。
全て耳で聞き取ることが要求されます。

文章で読めば6問目は④ が正解だとすぐにわかりますが、
何の予備知識もなくいきなり音声だと厳しいものがあります。

普段からシャドウイングなどで耳を鍛えるのはもちろん、
過去問題を試す段階で、音声をメモする習慣をつけてください。

今後の検定のリスニング問題では、一回目から対話と質問をメモすることは重要になります。

放送されるやや長い文の内容に関する問いに答える問題

第2 問、これから読む中国語を聞いてください。次に、質問とそれに対する4 つの答えを読みますので、内容に適したものを1 つ選び、その番号を解答欄にマークしてください。中国語は2 つあります。それぞれ全文に続いて、各質問と答えの順に、通して2 回読みます。


上が実際の音声です。
まず長めの会話文や長文が読まれ、次に質問と四つの答えが読まれますので、内容に適した答えを選びます。

会話文ですので、第二部分同様音声が流れた場合はメモをとることが必須です。

しかし、この部分は問題用紙に質問が書かれています。
つまり予備知識ゼロで挑むわけではないということです。

この部分は音声が流れる前に、
質問を読んでから音声を聞くようにしましょう。

ただしこの第三部分の6問目からは違います。


今度は長めの文章が読まれ、
質問と四つの答えが読まれるのは同じです。


しかし、6問目から文字の記載が問題用紙にはないのです。

つまり全て耳を頼りにしなければならないのです。

こういう問題こそ、音声の内容をメモしておくことが必要不可欠になります。
本番前に自分なりのメモの仕方を確立しておきましょう。

筆記

筆記問題は音声がなく、ご覧になっていただければご理解いただけるとは思いますが、
どんな対策が必要かも含めまして解説させていただきます。

声調問題

1.⑴~⑸の中国語と声調の組み合わせが同じものを、①~④の中から1 つ選びなさい。

ピンイン問題

2.⑹~⑽の中国語の正しいピンイン表記を、①~④の中から1 つ選びなさい。

上記の問題は中国語の基本的な単語を、正確なピンイン及び声調とセットで覚えていなければなりません。

普段の学習では正確な発音をしながら行うためにも、その単語のピンインと声調が分からなかったら必ず調べる癖をつけましょう。

普段から発音しながら学習していれば、この問題に出題された単語を見た時、瞬時に頭の中で音声として再現されると思います。
ここは確実に全問正解を狙いましょう。

穴埋め問題

⑴~⑽の中国語の空欄を埋めるのに最も適当なものを、①~④の中から1つ選びなさい。

この問題は量詞や助動詞、補語などの中国語の単語をその意味だけではなく正確な用法を文例と共に把握していなければ答えられません。

普段の学習では単語を一個一個覚えるのではなく、文単位のブロックとして覚えることを心がけましょう。

中国語訳選択問題

1.⑴~⑸の日本語の意味に合う中国語を、①~④の中から1 つ選びなさい。

これは中国語の基本的な文章構造を把握していれば問題なく解けますが、
それを把握するには日常的に中国語の文章に触れ続ける必要があります。

いくら文法を頭でわかっていたとしても、パターンは無数にあるのです。

単語を例文とセットで覚える学習を普段からしておけば、自然と文法は身についているものですので、このような問題にも十分対応できるようになるはずです。

並べ替え問題

2.⑹~⑽の日本語の意味になるように①~④を並べ替えたときに、[  ]内に入るものを選びなさい。

この文法問題はどれだけ中国語の文章に触れてきたかがモノを言うだけではなく、
自分で作文する能力がなければかなり難しいと思います。

例文の数をこなすだけではなく、日本語を中国語にする作文の練習もしましょう。

長文問題

次の文章を読み、⑴~⑹の問いの答えとして最も適当なものを、①~④の中から1 つ選びなさい。

結構長い文章なのでひるんでしまいますね。

こういった長文読解の文章は、まず長文から始めてはいけません。
先に問いが何なのかを読んでから、長文を読むようにしてください。

今後皆さんが更に上の級を目指す上でも、
長文読解問題は先に問いを確認するようにする癖をつけることをおすすめします。

中国語訳筆記問題

⑴~⑸の日本語を中国語に訳し、漢字(簡体字)で書きなさい。
(漢字は崩したり略したりせずに書き、文中・文末には句読点や疑問符をつけること。)

とどめは日中訳問題です。

日ごろの勉強の集大成ですが、100点満点を狙う必要はありません。

どうしても答えに自信が持てなければ、思いつく単語をとにかく書いて文章として完成させる気持ちで行きましょう。
白紙で出すという“無条件降伏”だけはしてはいけません。

編集後記

中国語に限らず、語学能力向上には語学検定の受験が不可欠だと私は信じます。

もちろんその国の言語が分かるようになって、その国の人間としゃべれるようになれるのが語学学習の本当の目的ですが、
語学検定での級の取得は学習のモチベーションになり、自分のレベル向上の見える化にもなるからです。

何より、語学検定に向けた学習はその言語の能力向上を大いに促進します。
「何としても合格する」「落ちたらどうしよう」と考えながら行う緊張感を伴った学習は無意識のうちに集中力と記憶力を高めるものだからです。

この中国語検定3級は初級修了の試験です。
取得された方は中級者の端くれとみなされることでしょう。

そして、せっかくここまで来た以上もっと上を目指しませんか?

これ以上は難しくて無理?

そんなことはありません!

ひとつ胸を張って断言できることがあります。
語学は努力している人を決して裏切らない学問です。
地道に学習に取り組み、ステップアップを続ける方ならば、確実に成長して試験でも結果を出せます。

短時間でもいいので毎日欠かさず中国語に触れるようにしてください。

そうすればご自分では実感がなくても、一年後の皆さんは今とは比べ物にならないほど成長しているはずです。
中国語検定2級も夢ではありません!

その一年後は?二年後は?
更なる高みに達していることでしょう。

それこそが語学を学ぶ、我々の場合は中国語を学ぶ醍醐味なのです。