HSK4級の合格対策・方法
HSKとは?
HSKとは中国政府認定の中国語検定であり、中国語以外の言語を母国語とする外国人を対象に、中国語での実際のコミュニケーション能力の測定を行うことを主眼としているために実践的な資格と世界的に認知されております。
日本国内には他に中国語検定試験やTECC(中国語コミュニケーション能力検定)などの中国語関連の資格がありますが、HSKの権威には及びません。
HSKの級位は1級から6級の全6段階に分かれ、日本の多くの資格とは逆で、1級が初級で6級が最上級となります。
1~2級はリスニング、読解という2つのセクションで構成され、3~6級はリスニング、読解に筆記作文を加えた3つのセクションで構成されています。
そして、中国の資格試験ですのでHSKの問題はすべて中国語で書かれているのが特色です。
このように、中国語検定に比べて少々やりにくそうなHSK試験ですが、受験して級を取得することには大いにメリットがあり、いいことづくめと言っても過言ではありません。
まず、HSKで級を取得することで中国国内の大学への正規留学を希望する際に要求される中国語能力の証明となるからです。
留学だけではなく、現在では日本国内の大学入学試験においてもHSK資格取得者に対する優遇措置(合否判定考慮や出願条件等)を実施している大学・短大が増加してきています。
我が国の国家資格である「通訳案内士」の中国語通訳案内士試験でも、HSK6級の取得者は一次試験の中国語筆記試験を免除されるという特典があります。
また、中国を対象とした企業・機関への就職にあたっては最も有効な中国語能力を証明する証拠ともなりますし(就職の際には、基準として4級以上)、駐在員に対しては、中国の外国人労働者に対するランク付けでHSKの資格が就労ビザの発給にもプラスになります。
もちろんキャリアアップに大いに資することも可能となることでしょう。
よって、これから中国にかかわっていこうとする人にとってHSKは未来を切り開くカギと言ってもよいのです。
また、純粋に中国語学習を趣味にしている人にとっても自分の実力の公式な証明とすることができ、モチベーションのアップにつながることは間違いありません。
将来のために中国語を勉強している人はもちろん、楽しみで中国語を勉強している人も、ぜひ挑戦することをおすすめいたします!
HSK4級の難易度
皆さんがこれから受験しようとするのは4級ですが、その難易度はいかがなものでしょうか。
まず、公式にはHSK4級は1200語程度の常用単語と文法知識を習得している方を対象としています。
目安としては大学の第二外国語における第二年度後期履修程度です。
すなわち、「幅広い範囲にわたる話題について、中国語でコミュニケーションをすることができ、中国語を母語とする者と流ちょうに話すことができる」か否かが問われるのです。
分かりやすく言えば、中国人に昨今のコロナウイルスや、米中の関係について話題を振られても会話ができるくらいの能力を有していることが必要です。
中国の大学(理系)への留学は4級合格が必須ですし、就職活動で中国語力をアピールするならHSK4級合格以上と言われていますから、4級合格者は語学力を社会的に認められるレベルなのです。
もちろん3級より問題はぐっと難解で、問題数もリスニング45問、読解40問、作文15問と増加します。
何より、リスニングの問題の音声を3級までは2回繰り返していましたが、4級からは1回しか流れないのです。
事実上の中国語中級者修了試験と言っても過言ではないでしょう。
合格者は程度の差こそあれ、「中国語がしゃべれる」とみなされます。
ですからHSK4級に関し、中国語初心者の方はまずはHSK1級かHSK2級からステップアップして行くことをおすすめします。
一方、すでにHSKの2級以上に合格している方ならば、一日2時間以上学習すれば10か月以内に合格することも可能な級であります。
これまで基礎知識として程度か、うろ覚えだった文法や、重要となるとなる接続詞、副詞、助動詞、補語の用法をしっかり身に着ければ決して合格できないレベルではありません。
HSK4級の試験スケジュール・点数配分・合格点
試験日程・会場
2021年度のHSKの試験日程と会場ですが全部で12回行われることとなり、第1回目と2回目が終了して3回目も受付終了寸前ですから、残りは9回です(2021年2月23日現在)。
ただし、この中には全国の主要都市で開かれるものもありますが、「特別準会場」という企業や大学など団体が独自で実施する試験会場での開催となり、一般の方が個人で自由に申し込みの出来る「公開会場」ではない場合があります(一般の受験者が参加できるものもあります)。
詳しくは2021年2月時点でのHSK公式ホームページでご確認ください。
また、現在は昨今のコロナ禍により試験会場入場前に体温測定が行われ、試験中もマスクの常時着用が義務付けられています。
試験当日は家を出る前にご自身の体温を測定し、マスクを着用して試験会場に向かってください。
試験当日スケジュール
HSK4級は以下の流れで試験が行われます。
- 試験開始・注意事項の説明
- 必要事項の記入
- 問題用紙の配布
- リスニング試験(約30分間)
- 解答用紙への記入(約5分間)
- 読解試験(約40分間)
- 作文試験(25分間)
- 試験終了
試験時間は短く、リスニングは45問を約30分間、読解は40問を40分間、作文は15問を25分間で解答しなくてはなりません。
総じてHSKの試験は、感覚的に中国語検定と比べて時間が短く、4級はより短く感じるはずです。
そして、リスニングの時間やその後の解答用紙への記入時間に、早めにできたからと言って読解や作文の問題を解答することはできません。
見ることも不可です。
また、すでにHSKを受けたことがある方はご存じのとおり、リスニングの試験時間の後に設けられる解答用紙への記入時間が終わって読解の試験時間が始まると、リスニングのセクションの解答用紙への記入も一切出来ません。
作文の時間になってもそれは同じです。
解答も記入も見直しも、それぞれのセクションの時間内で行ってください。
また、早く解答が終わったからと言って途中で退席することはできません。
解答用紙、問題用紙が回収されて数量確認が終わり、監督官が試験終了を宣言するまで待ちましょう。
点数配分・合格点
リスニング、読解、作文いずれも各セクションの配点は各100点、合計300点満点です。
合格ラインは総得点180点以上、つまり全体の6割の点数が取れれば合格です。
各セクションに基準点はなく、例えばリスニングが6割未満であっても読解や作文で高得点を取ってカバーし、全体が6割に達すればよいのです。
しかし、最初から6割を目標にすると往々にしてそれ以下しか取れないような勉強をしてしまいがちになり、試験当日もそのくらいの実力しか発揮できないことがあります。
ですから、私は皆さんに敢えて言います。
目標は大きく、4級は8割を狙っていきましょう!
HSK4級合格のための試験対策ポイント
その1:彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず
どんな検定試験でもそうですが、試験の前にHSKの過去問題を解いて出題の形式や傾向を把握しなければなりません。
HSKの他の級を受けたことがある方でも事前に過去問題をやってみるべきです。
4級は問題数も増加する上に、リスニングや読解、作文の出題の形式も変わるからです。
HSKは問題文がない上に問題の数に比べて試験時間が短く、それが何を問い、どう解答すればよいかを考えているうちに貴重な時間を浪費してしまいます。
設問の形式を最初から知っているか知らないかでは本番で大きな差となるのです。
今までHSKを受けたことがある方でも、普段の学習に加えて本番の三週間前までには過去問題や模擬試験に必ず挑戦してください。
それも本番と同じ時間配分で解答することをおすすめします。
それによってHSK4級の設問方法や解答の所要時間、難易度を体感し、足りないところがあれば事前に補うことも可能となるはずです。
まさに「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」なのです。
問題サンプル、過去問題は中国のHSK公式ホームページからダウンロード出来ます。一度チャレンジ、レベルチェックしてみてください。
汉语考试服务网
4級の問題と解答は「新HSK(四级)考试大纲下载」「HSK四级真题与答案下载」「听力音频文件」になります。
その2:リスニングを制する者は試験を制する
リスニングがどうも苦手だ、という方は多いことでしょう。
文章になると簡単なのに、いざ聞き取ろうとするとどうして難しいと皆さんおっしゃいます。
なぜなんでしょうか?
それはその発音とスピードで話せないからです。
自分がリスニングのスピーカーと同じように話せない限り、聞き取ることは不可能です。
これは中国語に限らず、どんな言語でも同じです。
リスニング問題は、基礎的な単語を正確な発音でできれば、確実に解答できます。
そのためには普段の学習で中国語を文章で読む時に黙読ではなく声に出して正確な発音をする習慣をつけてください。
リスニング力をつけるには、まず自分が発話できてこそなのです。
リスニング力をつける訓練は同時に文章を読む読解力の訓練にもなります。
だから、リスニング力があるということは読解力もあるということなのです。
つまり、リスニングを制する者は試験を間違いなく制します。
その3:リスニング問題は音声が流れる前に選択肢を見ること
本番はもちろん、過去問題のリスニングをやってみる際に注意していただきたい点が一つあります。
『HSK4級の難易度』でも申し上げたとおり、4級のリスニング問題は一回しか音声が流れません。
聞き逃したらアウトなのです。
しかし、どんな問題が出されるのか音声が流れるまで全く見当がつきません。
いざ音声が流れても何を言っているか結局わからないということは多いはずです。
そこで、問題の音声が流れる前に問題用紙に書かれた選択肢をあらかじめ見ることをおすすめします。
すぐさま次の問題が始まるので時間は一瞬ですが、それを見るか見ないかで聞き取りの精度に大きな差が出るはずです。
例えばこの問題。
文字で読めばともかく、「qing3wen4,fu4jin4you3chao1shi4ma?」と男性の音声で流れたのが「请问,附近有超市吗?」だとすぐに反応できるでしょうか?
先に問題用紙に記載された上記四つの選択肢をさっと見ておけば、次の女性の音声で「前面那儿有银行,银行对面有一个小超市」と流れても「银行对面」という語に反応できる確率は高くなります。
どんな問題が出てくるかアタリをつけるのです。
もちろん時間は一瞬です。
じっくり見ることはできません。
しかし、問題に関する情報がゼロのまま問題に臨むよりははるかにマシなはずです。
今後の5級、6級の試験でもこれをやるのとやらないとでは大きな差が出ると思います。
これから過去問題をやる場合、問題の音声が流れる前に瞬間的に選択肢を見る習慣をつけることをおすすめします。
その4:1200語はあくまで確認用とする
これから4級に挑む方はそれなりに中国語学習歴のある方々という前提で話をさせていただければ、おそらくこの1200語のうちかなりの部分をすでに覚えていらっしゃるのではないでしょうか?
試験範囲の1200語は、『例文で覚えるHSK基本語彙集 1-4級』(白帝社)又は、中国のHSK公式サイトからダウンロード出来る単語リスト(新汉语水平考试(HSK)词汇)で確認できますが、あくまでも自分の知らない単語を探し、それを覚える目的で使用するべきです。
もしわからない語彙が半分以上を占めているならば、その語彙を例文つきで学習することをおすすめします。
単語リストの単語だけを見て、受験英語を暗記するような勉強法だと生きた中国語として脳内に記憶されません。
時間はかかりますが、今後上の級を目指すためにもじっくりと基礎を固めていきましょう。
HSK4級に合格するためのおすすめ勉強法
『HSK4級合格のための試験対策ポイント』の『リスニングを制する者は試験を制する』でも申し上げた通り、リスニング問題ができればもう合格はほぼ手中に収めたも同然と信じます。
リスニング力は自分がネイティブと同じ発音とスピードで話せるようにならないと向上しないのは前で述べたとおりです。
そこで私が普段の学習で皆さんにおすすめしたいリスニング力向上の方法のひとつは、YouTubeなどの動画サイトを使った学習法です。
ドラマでもドキュメンタリーでも、自分の興味のあるものでよいのです。
普段の学習で中国のTV番組などの動画を見ることをおすすめします。
むろん、参考書と違って口語やくだけた表現があり、スピードも速かったりして聞き取れないことが多いはずです。
しかし、中国のTV番組や動画は字幕がついていることが多いのです。
最初に聞いてみて、全く聞き取れなかったらその字幕の文章の意味を調べて完全に把握してから、もう一度その部分を再生し、動画の中のスピーカーと同じ発音で、同じスピードで話すようにしてみて下さい。
これは、言語を文字情報ではなく音声情報として脳内に刷り込む「シャドウイング」という手法です。
スピーカーと同じように話せるようになるまで何度もやってください。
紙に書きながらやるとより効果的で、手を動かすことはその文章をより音声情報として脳内に記憶しやすくします。
むろん、最初は舌がもつれてうまくいきません。
それは普段使わない口の筋肉を使うからそうなるのです。
筋肉は使えば鍛えられるもの、何回もこなしていけば必ずスムーズに発音できるようになります。
これこそがリスニング力を向上させるための重要な一歩なのです。
この動画サイトを使ったシャドウイングによるリスニング学習を行えば、HSKのリスニング問題に十分対応できるようになるでしょう。
また、リスニング力の向上だけでなく実際に使われている生きた中国語を身に着けることにも大いに役立ちます。
そして、同じく『HSK4級満点合格のための試験対策ポイント』でも申し上げたとおり、これから初めてHSKを受験する方も、受験したことがある方も本番前に必ず過去問題を解いておきましょう。
いくらそれまでに文法書や参考書をやっていたとしても、HSK試験の設問形式に慣れておかないと本番で十分実力を発揮できません。
何しろHSK試験は問題文がなく写真や選択肢があるだけで、設問が何であるのか一瞬わからないことが多いからです。
また、これをやらないと、HSK4級試験の解答にはどれくらい時間がかかるか?今自分に足りてないのは何か?という肝心なこともわからないはずです。
そして過去のリスニング問題に挑戦する際は、問題の選択肢をさっと見る習慣も養ってください。
うまく聞き取れず、自己採点の結果が思わしくなかったら、今度はリスニング問題の解答・解説を開いて、スピーカーが何を言っていたかを確認して同じくリスニング問題のシャドウイングを行ってください。
HSK4級のリスニング問題の傾向やクセがつかめるはずです。
そして読解や作文も、問題を解いたら解きっぱなしではなく、間違えていたら何が間違っていたか確認して復習してください。
自分の弱点は本番前に一つでも多く克服、これが重要です。
試験問題の形式
試験問題はどんな形式でしょうか?また、具体的にどの程度の難易度なのでしょうか?
ここでHSK4級のリスニング・読解・作文の問題をご紹介いたします。
一、リスニング
(時間:約30分間)
まずは音楽が鳴り始め、
中国語で「皆さんこんにちはHSK4級試験にようこそ!」が三回繰り返され、
次いで、同じく中国語で「HSK4級リスニング試験は三つの部分に分かれ、計45問です。これから試験を開始します」とアナウンスされます。
以降も同様にすべて中国語です。
すでにHSKを受けた方ならご存じのとおり、問題文が一切記載されていません。
ですから何度も申し上げたとおり、最初に設問が何であるかを知っておかないと、それだけで貴重な時間を使って頭をひねってしまうことになりかねません。
以下にその設問を具体的に解説いたします。
第一部分 正誤判断の問題
短文が放送され、その内容と、問題用紙に与えられた★の部分の短文の内容が一致するかを判断します。(1-10)
上が実際の音声です。
最初に例が出され、「我想去办个信用卡,今天下午你有时间吗?陪我去一趟银行?」というセンテンスの後、「他打算下午去银行」と放送されます。
次に「现在我很少看电视,其中一个原因是,广告太多了,不管什么时间,也不管什么节目,只要你打开电视,总能看到那么多的广告,浪费我的时间。」と放送された後、「他喜欢看电视广告」と放送されます。
これはつまり、最初に読まれた文と、後で放送される★の部分の文が合っているかどうかを判断して、√か×を記入するのです
上の例の場合、「我想去办个信用卡,今天下午你有时间吗?陪我去一趟银行?」と放送されているので、「他打算下午去银行」はふさわしいことになりますので、「√」です。
次の「现在我很少看电视,其中一个原因是,广告太多了,不管什么时间,也不管什么节目,只要你打开电视,总能看到那么多的广告,浪费我的时间」ですが、「他喜欢看电视广告」はふさわしくありませんね。
ですから「×」です。
以下も同じ要領で解答します。
第二部分 会話の内容に関する問題
2人の短い会話とその内容に関する問いが放送され、問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選びます。(11-25)
上が実際の音声です。
最初に例が出され、「女:该加油了,去机场的路上有加油站吗?」「男:有,你放心吧」という会話が放送された後、「男的主要是什么意思?」と放送されます。
それをA、B、C、D4つの選択肢の中から選ぶのです。
「例如」では「女:该加油了,去机场的路上有加油站吗?」「男:有,你放心吧」と放送されているので、Dの「有加油站」がふさわしいことになります。
以下も同じ要領で解答します。
第三部分 会話や短文の内容に関する問題
2人の会話や短文と、その内容に関する1~2つの問いが放送されます。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選んでください。(26-45)
上が実際の音声です。
最初に例が出され、「男:把这个文件复印五份,一会儿拿到会议室发给大家」「女:好的。会议是下午三点吗?」「男:改了。三点半,推迟了半个小时」「女:好,602会议室没变吧?」「男:对,没变」という男女の会話が放送されます。
次いで「会议几点开始?」と放送されますが、これが問題なのです。
その答えをA、B、C、D4つの選択肢から選ぶのです。
先ほどの例では、「改了。三点半,推迟了半个小时」と言っていたのでCの「3:30」が正解となります。
以下も同じ要領で解答します。
すでに3級からそうでしたが4級からはなおさら、単語を部分部分聞き取れるだけではなく、全体として把握できているかどうかが問われるようになります。
二、読解問題
(時間:40分)
読解問題は音声がなく、ご覧になっていただければご理解いただけると思いますので詳しい解説は省略させていただきます。
ただ、どういう問題であるかを理解していただくためにもぜひご一読ください。
第一部分 空所補充問題
文中の空所部分に、6つの選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作ってください。(46-55)
この問題の場合、例題でDが選択されたので、46-50はD以外からの選択となります。
第二部分 短文の並べ替え問題
与えられた3つの短文を並び替えて正しい文を作ってください。(56-66)
これは文法を正確に把握しているかどうかが問われます。
第三部分 文の内容に関する問題
短文とその内容に関する問いが与えられています。問いの答えとして正しいものを4つの選択肢の中から選んでください。(66-85)
これは読解力が直接問われる問題と言えます。
二つの問いが出てくる文もあります。
三、作文問題
(時間:25分)
作文問題もご覧になっていただければご理解いただけると思いますが、どういう問題であるかを理解していただくためにもぜひご一読ください。
第一部分 語句の並べ替え問題
与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作ってください。(86-95)
これは正しい並べ替えを求める問題です。
文法をきちんと把握しているかどうかが問われます。
第二部分 作文問題
写真と単語が1つずつ与えられています。その単語を使って写真の内容を文章で表現してください。(76-80)
これはずばり語彙力とその用法が正しいかを問われる問題です。
同時に文法をきちんと把握しているかも問われます。
以上長々と列挙させていただきましたが、HSK4級の問題に関し、詳しくは以下をご覧になるとより詳細にご理解いただけるはずです。
おすすめ教材
スタンダードコース中国語 4上
スタンダードコース中国語 4下
北京語言大学と孔子学院/国家漢弁が共同編集した中国語学習の定番テキストです。もともとは英語で書かれており、全世界中の中国語学習者に愛用されている教材ですが、1~4級については日本語版も出版されております
シリーズの各冊がHSK各級のレベルに準拠しており、ゼロからでも段階的かつ体系的に中国語を学ぶことができます。なので、初心者の方でも1級から始められて安心です。また、中国オフィシャルの公的教育機関がタッグを組んで作成した教材ですので、内容が標準的であるだけなく、重要なポイントももれなく押さえられています。
当校、東京チャイニーズアカデミーのHSK対策講座でも、当教材を教科書として採用しております。
中国語学習する上で便利なアプリ、サイト
中国語学習している皆さまにこれからご紹介するのは、中国語翻訳者・通訳者である私が仕事でも、普段での学習でも使っているサイトです。
ご参考になれば幸いです。
北辞郎
2021年2月現在で収録語数27万語を超えるオンライン中国語辞典です。
有志によって日々新しい単語が登録されているため、一般的な辞書に登録されていない新語や俗語、はたまた専門用語も収録されています。
発音機能も付いており、中国語の前方一致検索、ピンインの前方一致検索、日本語部分の全文検索、中国語の完全一致検索、中国語の全文検索、中国語の後方一致検索など六つの検索方法が準備されています。
Weblio日中中日辞典
約160万語の収録の日中中日辞典。意味を用例やピンイン、声調付きで解説するオンラインの中国語辞書サービスです。例文が豊富であるため、詳しい用法を把握するのに便利です。
またHSK4級の学習法として、試験範囲の1200語の用法はこれを使って確認して学習することをおすすめします。
百度百科
上記二つのオンライン辞典でも引っかからなかった場合は百度百科です。
このオンライン百科事典はウィキペディアを大きく上回る項目が掲載されており、当然中国語で書かれています。
よって、これを読むだけでも中国語学習に大いに資するはずです。
ご興味のある分野(歴史やら科学やら何でもござれです)について検索して読んでみることをおすすめします。
西瓜视频
中国の動画サイトです。
中国だけでなく日本のドラマやアニメも無料で見られることがあり、音声は日本語で字幕は中国語のものは語彙力の強化や表現力の幅を広げるのに大いに役立つはずです。
HiNative(ハイネイティブ)
HiNative(ハイネイティブ)は、外国語を学習する人のためのQ&Aアプリです。
中国語ももちろんあり、「〇〇は中国語で何と言う?」と質問をすると、日本語を習う中国語ネイティブスピーカーが即座にその答えを教えてくれるという、外国語学習者のためのマッチングアプリです。
逆にこちらから「〇〇は日本語で何と言う?」という質問に答えてあげることもできます。
また、自分の中国語作文を添削してもらったり、その逆も可能なのです。
HiNativeを使うためにはアカウント登録が必要です。
無料でも登録できますので、詳しくはぜひ公式サイト(見出しに記載)をご覧ください。
編集後記
HSK4級は中級者修了試験と言っても過言ではありません。
3級と比べると難易度はぐっと上がります。
よって4級に関しては、全くの初心者の方が一からやって合格できることはお約束できません。
本稿では中国語を始めて半年から1年以上の方か、HSKで2級以上を保有している方を対象という前提で、合格のための有効な勉強法や受験に際してのコツを私なりに指南させていただきました。
そして、今後中国語を学習し続けようという意志がある方々に、編集後記の場をお借りしてお伝えしたいことがあります。
安心して不合格してください。
不合格したらまた受験してください、またダメだったら合格するまで受けてください。
合格のためのアドバイスを長々とさせていただきながら、こんなことを言うのはおかしいのですが、資格試験と言うのは落ちてナンボだと、特に語学試験については思うからです。
試験に受かるための必死の勉強が本物の実力を養うはずだからです。
それはまぐれやたまたまで合格しては決して得られません。
真の語学力は悔し涙の流量に比例します。
不合格を何回も重ねることは勲章だと思ってください。
そして語学は継続して勉強する人を決して裏切らない学問です。
ですから短時間でもいいので毎日欠かさず中国語に触れるようにしてください。
そうすればご自分では実感がなくても、一年後の皆さんは今とは比べ物にならないほど成長しているはずです。
HSKだってやり続ければ、4級くらい余裕で取得していることでしょう。
二年後は?三年後は?
現在の自分とは同じ人間と思えないレベルになっているはずです。
中国語ネイティブには永遠になれませんが、近づくことはできるのです。
そして、勉強を続ける限り終生自分の力が増していくことでしょう。
それこそが語学を学ぶ、我々の場合は中国語を学ぶ醍醐味なのです。
執筆者プロフィール
名古屋外国語大学外国語学部中国語学科卒。中国語検定準1級、HSK6級
2015年以来、特許および特許無効審査の翻訳、校閲を担当。中国語翻訳分野の専門は化学と電気。これまで、美術書や拘置所での書簡の翻訳も経験したこともあり、技術関連を中心に幅広い翻訳分野で対応可能な中国語翻訳者